
A 連絡がつかない相続人がいる場合、大きく分けて以下の方法が考えられます。
⑴ 相手の住所を調査して連絡を試みる
最初に検討すべきなのは、相手の現在の住所を調べて改めて連絡をとること
です。住所が判明すれば、内容証明郵便などで遺産分割協議への参加を呼びか
けることができます。住所の調査方法としては、戸籍の附票の取り寄せが考え
られます。
⑵ 家庭裁判所の手続きを利用する
住所が判明していても話し合いがまとまらない場合や、住所が不明な場合に
は、家庭裁判所を通じた手続きを利用することになります。具体的には以下の
手続きがあります。
遺産分割調停・審判
相続人間で協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立
てることができます。調停でも解決しない場合は、審判手続きに移行します。
相手の住所が分かっている場合は、家庭裁判所から呼出状が送付されます。
公示送達
住所が不明な場合には、公示送達という方法が利用できることがあります。
公示送達とは、裁判所の掲示板に一定期間書類を掲示することで、送達があ
ったものとみなす手続きです。これにより、相手方の所在が不明であっても
手続きを進めることが可能になります。
不在者財産管理人の選任
相続人の中に行方不明の方がいる場合、家庭裁判所に不在者財産管理人の
選任を申し立てることができます(民法 25 条)。不在者財産管理人は、行方
不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加する権限を持ちます。
ただし、遺産分割協議を行う場合には、家庭裁判所の許可(権限外行為の許可)が別
途必要です(民法 28 条)。
失踪宣告
7 年以上生死不明の場合には、家庭裁判所に失踪宣告の申立てを行うこと
ができます(民法 30 条)。失踪宣告がなされると、その方は法律上死亡した
ものとみなされ、その方の相続人が新たに遺産分割の当事者となります。




