- 公開日:2025.10.23
- 最終更新日:2025.12.18
目次
増加する相続トラブル
最高裁判所の司法統計によると、令和6年に家庭裁判所へ持ち込まれた遺産分割争いの件数は15,379件となっています。平成12年の8,889件と比較すると、この約20年間で1.7倍にも増加しました。
相続が発生すると、誰もが何らかの手続きに直面します。しかし、相続には期限が設けられているものも多く、手続きを誤ると取り返しのつかない事態になることもあります。こうした状況で頼りになるのが弁護士です。
弁護士に依頼する主なメリット
相続人や財産の調査を任せられる
相続を進めるには、まず相続人が誰なのか、遺産がどれだけあるのかを明らかにする必要があります。遠方に住む親族との連絡調整や、複数の金融機関への照会など、調査には多大な労力がかかります。
弁護士に依頼すれば、戸籍謄本の収集から財産調査まで一括して対応してもらえます。専門家が調査することで、見落としや漏れを防ぎ、後のトラブルを未然に防ぐことができます。
相続人同士の話し合いを代行してもらえる
相続の話し合いは、家族や親族間で行われるため、感情的になりがちです。長年の家族関係の中で積み重なった想いが、相続を機に表面化することも少なくありません。
弁護士が代理人として交渉にあたることで、感情を排した冷静な話し合いが可能になります。あなた自身は直接やり取りをする必要がなくなるため、精神的な負担も大きく軽減されます。
法的に正しい主張ができる
相続には、法定相続分、特別受益、寄与分など、さまざまな法律上のルールが存在します。これらを正しく理解し、適切に主張することは簡単ではありません。
弁護士は法律の専門家として、あなたが受け取れる正当な権利を見極め、根拠を示しながら主張します。他の相続人から不当な要求をされた場合にも、法律に基づいて反論することができます。
複雑な手続きを一任できる
相続放棄は相続を知ってから3か月以内、相続税の申告は10か月以内など、相続には期限のある手続きが数多くあります。必要書類の準備や提出先への対応を自分だけで行うのは大きな負担です。
弁護士に依頼すれば、必要な書類の作成から提出まで、手続き全体をサポートしてもらえます。期限を逃して不利益を被るリスクを回避できます。
調停や裁判にも対応できる
話し合いで解決できない場合、家庭裁判所での調停や審判に進むことがあります。こうした手続きでは、法的な知識や経験が必要となり、一般の方が適切に対応するのは困難です。
弁護士であれば、調停の申立てから出廷、主張書面の作成まで、すべてを代理して行えます。最初から弁護士に依頼しておけば、万が一調停に移行した場合でも、スムーズに対応できます。
弁護士に相談すべきケース
遺産分割で相続人同士の意見が対立している場合はもちろん、他の相続人が財産を開示してくれない、生前に多額の贈与を受けた相続人がいる、遺言書の内容に納得できないといった状況では、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
また、不動産が相続財産の大部分を占めている場合や、相続人の人数が多く調整が難しい場合なども、弁護士のサポートが役立ちます。
他の専門家との違い
相続に関わる専門家には、司法書士や行政書士、税理士などもいます。それぞれの専門分野で重要な役割を果たしていますが、相続人の代理人として他の相続人と交渉したり、調停や裁判に対応したりできるのは弁護士だけです。
司法書士は相続登記などの手続きを、税理士は相続税の申告を担当しますが、相続人間のトラブル解決は弁護士の専門領域です。弁護士であれば、必要に応じて他の専門家と連携しながら、総合的なサポートを提供できます。
まとめ
相続は一生のうちに何度も経験するものではありません。だからこそ、弁護士のサポートを受けることで、手続きをスムーズに進め、正当な権利を守ることができます。
弁護士に依頼するメリットは、単に手続きを代行してもらえるだけではありません。法的な観点から最適な解決策を提案し、感情的になりがちな話し合いを冷静に進め、あなたの利益を最大限に守ることができます。
相続に関して少しでも不安や疑問を感じたら、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。当事務所は初回相談を無料でお受けしておりますので、そうぞお気軽にご相談ください。




